当園では根域制限栽培(隔離ベッド栽培)を採用しています。
水分と肥料を各種トマトに合わせてピンポイントで投入することにより糖度UPと食味UPが出来ます。
大玉の桃太郎をはじめ、フルーツトマト類は、土耕栽培の時に比べ、糖度が上がるとともに味が濃くなったと評判を頂いています。
施肥と潅水にはOATアグリオのTT750を使用しています。
電磁弁を8系統まで拡張することが出来るのと各系統に合わせた水分調整、肥料調整、当日のNPK投入量データの確認が容易に出来ます。
PF値、EC値のモニタリング機能があり、積極的に活用しています。
また、連作による土壌病害を回避出来るので計画的な収量を確保することが出来ます。
反対に日射量や気温の急激な変化に合わせた水分、肥料のコントロールにとても神経を使います。
昔ながらの勘や見た目で判断することも重要ですが、各種センサーを用い、データとして目に見える形で記録できることは近年の物価高での経費削減やこれからの近代農業に重要な役割を担うことと思います。
計画的な栽培技術を確立するため、最新のIT技術の投入を積極的に行っています。

根域制限?
なにそれ?

根域制限(こんいきせいげん)栽培法は簡単に言えば、
名前の通り植物の根の領域を制限して余分な水分や
その植物にとって有害な微生物を寄せ付けず、
根に関わる病気から守る栽培法のことよ。

へぇ。なるほど。
で、具体的にはどうやるの?

果樹は重機を使って大掛かりな工事が必要だけど、(栃木県農政部→果樹の盛土式根圏制御栽培法)
トマトのような施設栽培なら作付け前に予め「遮根透水シート」を
栽培ベッドの下に埋め込む方法や「樽栽培」があるわ。

簡単だね。

言葉では簡単ね。実際には経験と勘が必要よ。
日射(MJ)や水分(PF)、EC値、流量計などの各種センサーと制御盤で
システム化されてるものもあるのでお金をかければ簡単だけど。。。

でもそれをやればトマトが簡単に甘くなるんでしょ?

そうね。単純に「簡単」とは言えないけど、果樹やトマトなどの糖度をあげる近道にはなるわね。

甘くなったり病気から守れたり
いいことばっかりで魅力あるね。(^。^)

デメリットもあるのよ。

えぇっ!?

最初に言ったけど、まずは最初に「お金と労力」がかかること。
第二に樹に相当なストレスが掛かるので天候や気温に合わせて水分や養分を微調整したりする知識が必要。夏はトマトは水分が少ないと「尻腐れ」が出たり果肉の中に緑の斑点が出来たり、カルシウム不足を根だけでなく葉からも吸わせるなど細やかな管理が必要。水分が少ないからとPF値を上げると根の領域が少ないので「根腐れ」を起こしがち。上手く行けば味が濃くて美味しくなるけど、病気に対して抵抗が弱くなったり枯れてしまったり、同時に実が小ぶりになるので収量を上げるのは難しいわ。(T_T)

それじゃ、採算が合わないね。

そうね。
味は間違いなく甘くて美味しくなるので、差別化、ブランド化して高単価で売ることのできる販売力も必要ね。

簡単だと思ったけど、なかなか難しいんだね。
でもやってみる価値はありそうだね(*^^*)
詳しく教えてくれてありがとう^^;

いえいえどういたしまして(^^)